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zoom RSS ま,“レールカー”と呼ぶとして…。〜1

<<   作成日時 : 2015/12/31 22:38   >>

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 鉄道は,蒸気機関車が牽く車輛に客を乗せ貨物を載せて移動するのが始まりで,後に機関車の動力が電気や内燃機関に変って今日に至るワケですが,その過程で,人・物を積む車輛自体に動力をつけた,今ではごく当たり前になっている電車や気動車が生まれたのはご承知の通り。
 そんな中で,自動車の発達によってに手に入るようになったガソリン・エンジンを動力とする車輛が作られましたが,ここではそれを取敢えず「レールカー」と呼ぶことにします。と云うのも,自動車のエンジンを使った,いわゆる「Self-propelled Car(自走車輛/自力推進車輛)」に対する呼称に決まりはないようで,鉄道によって,或いは使い方によって,はたまた鉄道好きや研究者によっていろいろあって一つに決められないため。
 例えば,いろいろとアメリカの本を見てみると次のような書き方に出会います。

・Rail Auto…軌道自動車,って云うのが日本語ではいいのかも。
・Rail Bus…これは軌道バス,ね。
・Rail Truck…軌道トラック,ですね。
・Rail Motor
・Motor Car
・Motor…いたってシンプルだが鉄道会社での呼称としてはこれが多い感じ。
・Galloping Goose…他でも使われるが,元はRio Grande SouthernのMotorsの愛称。
・Rail Critter…小型レールカー全般に使われるみたい。
・Doodlebug…ガソリン・エンジンで発電機を回し,その電力でモーターを回す電気式ガソリンカー,つまりガス・エレクトリック(ガスエレ)車の総称。レールカー全般に使われる場合もある。(尤も電気式ガソリンカーって云うよりガソリン発電型電車,って云う方が的確なかなァと思っとりますが…)

 と云った具合ですが,非営業用のでは,Inspection Carなど用途を示す云い方もあるんで,このシリーズではそのあたり,臨機応変に書くことにして,いろんなレールカーをご覧願うつもり。
 RGSのギャロッピング・グースは,いまさら写真を並べても仕方ないかなと思うくらいよ〜く知られてるので,採り上げなくてもいいかとも思うんですが,さてどうしましょうか。
 ドゥードゥルバグは,それだけまとめてお目にかけることにします。

 さて,初回の今回は上で書いた軌道自動車,軌道バスの部類からいきましょう。

 自動車の応用として早い段階で作られたのは,タイヤをフランジ付の車輪に取り換えただけの,スタイルは自動車のまんまのRail Auto,そう呼ぶのがいい連中で,これは結構な数が作られたし,かなり後年まで作られました。
 そんな一つが,こちら。(↓クリックで拡大)
画像
 これは,合衆国のではなくお隣のメキシコの,Coahuila Y Zacatecasって3フィート鉄道にあったフォードのインスペクション・カーがFraile駅に停車しているところ。撮影は1952年4月11日。
 車輪がpressed steelのなので,模型化するとなるとかなり厄介だから,せいぜい普通のスポーク車輪で済ませるのが得策か…。
 腕のいい方ならHOでも作れるでしょう。車体は在りモノのミニカーかプラキットを流用するのが簡単そう。

 エンジンとフード,ラジエーターを活かして,車体は新造したのもあります。中でも有名なのが,コロラドはシルヴァトンから東北方向に路線を持っていたSiverton NorthernのEureka(ユリーカ)にあった鉱山,Sunnyside Mineが病人や怪我人を運ぶ救急車としてシルヴァトン・ノーザン鉄道に作らせた“Casey Jones”と呼ばれたこちら。(↓クリックで拡大)
画像
 これは12人掛けシートを備えていたので,Rail Busです。現在もこの写真が撮られたのと同じくシルヴァトンで保存されてて,今はもっときれいに仕上げてあるようで,結構ネット上で写真を見ることができます。
 エンジンはキャディラック。そうそう,キャディラックで思い出した余談を申し上げると,戦後GHQに君臨したダグラス・マッカーサーはキャディラックに乗っていたんですが,何度かアメリカ大使館にマッカーサーを訪ねた昭和天皇の運転手がその車を見せられて驚いたのが,無段変速(昔はノークラって云ってましたがいつの間にか死語になって,オートマになったみたいですけど,これももはや死語?)だったことだったと,何かの本で読んだことがあります。日本で普及し始めるまでそれから20年くらいかかるのかな?
 閑話休題。
 カウ・キャッチャーの両脇から前に細長い腕が出てますが,それの先にはホウキを挟んで立てます。つまり,走る先のレールの上の邪魔モノを払いながら進む,ってこと。面白い発想ですね。ただし,このケーシーちゃんがホウキを立ててる写真は見たことありません。

 で,他の軌道バスでホウキをつけてる写真があります。(↓クリックで拡大)
画像
 これはニューヨーク州にあったGrasse River RailroadのPassenger Rail Motor Bus No.11。スタンダード・ゲージのボギー・バスですが,前に短いホウキがつけてあるのがよく判るでしょう。
 1937年6月16日にConiferって,グラッスィ・リヴァー鉄道の起点で撮られたものです。Whiteって云う自動車メーカーのバスを軌道用にしたもので,これは後にスピーダー(作業員輸送用自走車)に小改造され,今も保存されている由。
 面白いなと思ったのは,最前席と最後部の荷物室(自動車で云うとトランクにあたる部分)は見えるこちら側にもドアがありますが,中間の客室部分にはドアの蝶番とハンドルが見えないので,ドアは反対側だけと云うところ。客の乗り降りが片側だけ,ってのは珍しい。

 レールバスでわりと早くに日本で紹介されたのは,TMS特集シリーズ「模型車輛デザインブック」に再録された「ゲテモノサロン」に図面の載ったマックのレールバスじゃなかったか。
 マックは,云うまでもなくトラック・メーカーのマックで,中でも最も特徴的なエンジン・フードのデザインのブルドッグ・マック(タイプAC)の,1軸駆動+2軸先台車のがそれだった。これが一番多く作られたと思う。
 おそらくこのスタイルを知っている人は多い筈。(↓クリックで拡大)
画像
 写真はウェスト・ヴァージニアにあったBuffalo Creek & Gauleyと云うスタンダード・ゲージ鉄道ので番号はついていないが,「A」と云う記号が振られている。エンジン・フードの前に,ですね。1958年5月撮影。
 この手のをよくマック・レールバスと呼ぶが,エンジン部はマック製,それ以外の車体や下まわりと組立はブリルが行なうので,Mack/Brill railcarとあちらの本では書いてある。これのナローのは見たことがないが,細かく調べたわけじゃないので明言はしない。
 HOのブラス・モデルでは杉山模型の作ったのがあり,スタティック・モデルではVintage〜と云うような名前のメーカーからプラキットも出たのが,いまJordan Productsに移っている。動力は自作になるけど意外と簡単に動力化できるんじゃないかしら。
 先台車は,内側台枠で車輪が丸見えなのに馴染みがあり,これの外側台枠と云うのは珍しいと思う。

 と,今回はここまで。次も軌道バスの続きをやる予定です。

Taddie

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コメント(25件)

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あけましておめでとうございます。
またまた面白そうなシリーズがはじまりましたね。期待しています。
Casey Jones君の箒をつけた姿がこちらに載っています。ただ1960年ころの撮影のようですの現役の姿ではないようです。
http://railfanphotographycolorado.com/3mines.html
箒の目的は毛虫を踏んで滑らないためのものとどこかで読んだような気がします。
Little Yoshi
2016/01/01 10:11
久しぶりの更新、しかも煙以外のネタなんでCedarも取っ付き易い、続編楽しみにしています。
Cedar
2016/01/01 12:54
明けましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。

こちらのスピーダーの製作記事を参考にしてチエーン駆動時代のCasey Jonesが作れないかと夢想しています。
http://fr.1001mags.com/parution/loco-revue/numero-26h-jui-aou-2010/page-52-53-texte-integral
railtruck
2016/01/01 13:05
Little Yoshiさん,

情報ありがとうございます。
毛虫の話,知りませんでした。と云うことは季節によってはつけていなかったんでしょうね。現役時代の写真が数少ない(走行写真はかなりレア)なので致し方ありませんが,ホウキの謎が解明されたのは喜びです。
ありがとうございました。これからも宜しくお願い致します。
Taddie
2016/01/01 16:15
Cedarさん,

愉しんでいただけるものがあればいいんですが。
Taddie
2016/01/01 16:18
railtruckさん,

こちらこそ,今年も宜しくお願い致します。

実際にチェーン駆動で作るってのは,railtruckさんくらいの腕がないと難しいでしょう。ご紹介の記事は仏語チンプンカンプンなのでどう云うことか理解できませんが,夢想を実現されんことを願っております。
小さなチェーンの入手が一番のネックでしょうか?
Taddie
2016/01/01 16:33
箒の毛虫よけの話、自分で持ち出したのですがどうにも出どころが気になってガゼットのDVDで検索をかけてみたのですが、これはという記事に行き当たりません。ということで「かもしれない」レベルの話として受け止めておいてください。
Little Yoshi
2016/01/01 21:53
チエーンの作り方も記事にありますが、駒はプレス抜きですね。
ラダーチエーンではまーくんの作例があるし、タミヤのエッチングチエーンはどなたかが使っていませんでしたか?
Fn3だとグラントのデルリンチエーンも使えそうですが...
新年早々の戯言と思って忘れて下さいな。
railtruck
2016/01/02 05:03
Little Yoshiさん,

了解しました。
Worm sweeperとでも書いてあれば確定できるんですけどね。
Taddie
2016/01/03 17:58
railtruckさん

グラントのはウチでもスプロケットとともに仕入れてあるんですが,ラージスケールはやらないし,今のところ使えるものを思いつかないんですよ。何かのアニメーション/ギミックに…とは思ってるんですが。
Taddie
2016/01/03 18:11
おめでとうございます。
レールカーとは、楽しそうなテーマですね。
この箒は、毛虫よけでしたか!
毛虫・・・ は存じ上げませんが、日本でも「落ち葉」「ムカデ・ヤスデ」の類がレールに積もって空転するので、気動車に砂箱を付けた、と言う話は東北・北海道などで何度か聞きました。その設備が無い車で坂を越えられなく止まってしまったときは「降りて掃いた」などと聞きました。機関区や気動車区に見学に行った時に聞いた話です。でも、書いたものを探すのは大変です。鉄道ジャーナルなどで読んだ気もしますが、これまた探すのは大変です。
毛虫も滑りそうですね(受験生には禁句!)
廣瀬
2016/01/04 01:33
ヤスデによるスリップ事故はちょっとググれば新聞やTV報道がヒットしますよ。
ヤスデ大量発生に関する文献もありますね。
http://www.ffpri.affrc.go.jp/labs/kouho/mori/mori-52.html
railtruck
2016/01/04 09:36
廣瀬さん

日本でもそう云うことをやってたんですね。

資料探し,ホントに大変です。
Casey JonesのいたSilverton Northernについての本は持ってるんですが,ロッカーの奥深くにしまい込んでしまって,簡単に引っ張り出せない。今度の連休には何とか出して読んでみるつもりです。

遅まきながら,本年も宜しくお願い致します。
Taddie
2016/01/05 01:21
Tadさん

The Rainbow Routeですか?ざっと見ましたが、箒に関しては次の記述しか無さそうです。
brooms were mounted just behind the pilot to clean the rails ahead of the car

この本はCasey Jonesの図面にも惹かれて1976年に第3版を14Kで購入しています。

Casey Jonesに関してはこちらのサイトも詳しいですね。
http://www.sanjuancountyhistoricalsociety.org/casey-jones.html
railtruck
2016/01/05 07:05
ご無沙汰致しております。
おっと、新年明けましてお目出度うございます。

タイトルの”ま,“レールカー”と呼ぶとして…”てのは、”レイルカー”と書こうか書くまいか?の葛藤の結果と見ましたが…。

機関車以外の自走式鉄道車両はメリケンでもエゲレスでもRailcarと言いますね。
電車はElectric Railcarだし、ディ−ゼルだとDiesel Railcarだし。
日本のどこぞに"Yellow One Man Diesel Car"と車体に大描きしてる鉄道がありますが、欧米人にしたら噴飯物の和製英語でしょうねぇ。正しくどう書くかは敢えて書きませんが…。

で、最近はエゲレス物に手を出し、しかもメリケンものもエゲレスものも20世紀初頭がテーマなんで、Railcarっちゅうと、Steam Railcar辺りになっちゃうんですが、その辺りまで話はいっちゃいません、よね?
Junior
2016/01/05 12:02
railtruckさん

調べていただきありがとうございます。
ウチのThe Rainbow Routeは1980年代後半にアッチから買ったので,railtruckさんのよりあとの版かも知れません。
Mear's Three Little Short Linesって云ったか,シルヴァトンからの3鉄道について書いたのもあるんですが,これは薄い本なので記述はないかも。

「これってどうなってんだろ?」と調べてみても,それについちゃ何も書いてない…って云うのはよくありますね。ま,相手にするのが古いネタだから仕方ないんではありますが。
Taddie
2016/01/05 23:12
Junior

Steam Railcarってアメリカじゃ見かけないですねェ。使ってたんでしょうか?
客車に蒸気機関車組み込むなんて発想がないのかも。機関車に客車牽かせりゃいいじゃん! で済んだような気がします。
Steam Dummyってのはありましたけど,あれは路面軌道での機関車代りか,人が乗ると云ってもインスペクションカー程度。

てワケでスティーム物は出てきません。悪しからず。
アメリカだと1905年とかには自動車改造のレールカーが出てきてるのを本で見たことがあります。そのあたりは写真の手持ちがないので紹介できませんけど,早くから自動車社会になってたと云うことでしょうね。

申し遅れましたが,Junior,今年もよろしく!
Taddie
2016/01/06 00:10
> Steam Railcarってアメリカじゃ見かけないですねェ。使ってたんでしょうか?

Interurbans Without WiresにもBLWやALCOが数例載っていますよ。数も少なく、短命だったとは思いますが走っていたようです。
また、ガゼット1989年7,8月号にアーミテイジの図面がありますね。ヴォークレイン複式のBLWだったと思います。
railtruck
2016/01/06 05:23
毛虫説は勘違いだったかもと弱気になってきました。ひょっとすると落葉対策だったのかも知れません。新年早々お騒がせですみません(汗)
Littleyoshi
2016/01/06 05:43
railtruckさんがお書きの様に彼の地にもSteam Railcarはありましたけど、本文とは関係ないんでそれに関しては割愛しますね。

で、Whiteてのはクリーヴランドの自動車メーカーで、後にトラックなんぞが主流になって、今でもWhite Freightlinerのブランドでトラクター(映画"Convoy"に出て来る、トレーラー牽引用のあのデッカイ前部分でね)では全米一のシェアを誇ってます。
スティーヴ・アールってカントリー系のシンガーが"White Freightliner Blues"って歌を唄ってる位、Whiteの名前は一般的です。
アメリカの何処かの博物館にWhite Railcarが保存展示されてるハズです。
Junior
2016/01/06 12:06
因に、どこぞの博物館で保存展示されてるのは写真のとは別のもっと鉄道車両的な代物です。
Junior
2016/01/06 12:10
Juniorさん

Railtownで保存のコレですか?図面はガゼット誌1988年1,2月号に載ってますね。
https://railtown1897.files.wordpress.com/2014/12/june-2012-128.jpg
railtruck
2016/01/06 16:01
railtruckさん

Interurban Without Wiresも,三部作の残りのDoodlebug CountryとShortline Doodlebugも持ってるんですが,奥に入れてしまったので,週末に確認してみたいと思います。
Steam Railcarはshort livedだったんでしょうね。
Taddie
2016/01/06 22:54
Little Yoshiさん,

どうぞ気になさらずに。
Silverton Northernの線路際には落葉がレールにのるほどの樹木があまりないので,虫説の方が納得できるんですけど,これはマァ懸案事項と云うことにしておきましょう。
Taddie
2016/01/06 23:00
Junior

Whiteのレールバスは,railtruckさんの書かれた保存車輛のようなエンジン・フードが出っ張ってるのと箱型のがありますね。で,エンジンとシャシーはWhiteなれど,車体はサクラメントのMeisterって会社が作ったって云うコラボのもありますね。railtruckさんご紹介のもそれですね。

次回はそのあたりを紹介するので,しばしお待ちを。
Taddie
2016/01/06 23:24

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